学校法人化
「教師を育てることが何よりも大切」
創始者赤羽惠子先生は、まず1973年京都モンテッソーリ教師養成コースを設立されました。
時を同じくして富山大学の助教授に就任されました。しかし、時を経るにつれ赤羽先生が理想とされる幼児教育との隔たりを感じられ、退任を決意され理想を実現すべく深草こどもの家を設立されました。
その2年前に嵐山こどもの家を始められ、赤羽先生が大学に勤務されている平日に私がお手伝いさせていただくことになりました。
嵐山こどもの家の前、月見ヶ丘こどもの家の頃の岡山真理子
3階建が一戸に仕切られている「へ」の字型のマンションの曲がり角が赤羽先生のお住まいで、間口は狭く中へ進むほど広くなっています。丁度、扇子を半分開いたような型です。その1階と2階をこどもの家に開放されました。この曲がり角を選ばれたことに赤羽先生らしさを感じます。
1階玄関には、言語の棚、中の間には感覚教具棚、奥の間には生活教具棚と今も深草こどもの家で使われている子ども用流し台が設置されていました。
2階には数の教具棚と子ども用のレコードプレーヤーが置かれ、満3歳児さんがトントンと2階に上がり自分でプレーヤーを操作し、毎日「七匹の子やぎ」のお話しや音楽を聴いていた姿が思い出されます。
庭は一面芝生が敷き詰められ、砂場、小さな池には噴水がありました。
私の朝の仕事は環境を整えることと、モルモットを庭に放すことでした。子ども達はモルモットと戯れ、裸足で庭中を走り回っていました。
赤羽先生の「限られた空間に甘んじることなく、現状において最高の環境を子どもに提供する。」
先生の思いが伝わってきました。
当時10数名の子どもがおりましたが、自分の意のままに、それぞれの場所で生活を楽しんでおりました。
天気の良い日には近くの公園に遊びに出かけ、嵐山東公園は嵐山こどもの家の第2の庭のようでした。
夏には水着を着て桂川の浅瀬で水遊び。
冬は川の手前の空き地で雪合戦。
嵐山は紅葉の名所ですが、人気のない静寂の中での雪景色は1年で一番美しいと私は思っております。
渡月橋の袂にある岩田山(通称猿山)にも出かけました。「ポケットに手を入れない。猿と目を合わさない。」子ども達は緊張しながら山を登り山頂にある小屋に入ると、ハッとしながら、飽きることなく猿の動きを観察していました。
嵐山子どもの家の庭で赤羽惠子とモルモットを抱っこする長谷川美枝子(右)と妹(中央)。
ある日、保育室の一部屋が台所兼居間であったことを幸いに、お弁当のおかずを作って一緒に食べることを思いつきました。日々、モルモットの野菜を切っているこども達に、その日は、こんにゃくや人参を切ってもらい筑前煮を作りました。保育室に立ち込める匂いにつられ、「まだか、まだか」と度々催促してくる子ども達。そして、一緒に食べた時の子ども達の喜びの顔は今も思い出します。
これが、お料理活動の第一歩でした。
その後も、嬉々とした子どもの表情に誘われ、サンドイッチやお好み焼きなど数々のお料理を作りました。
お母さま方は、古いワイシャツをリフォームして、こども達のお料理用エプロンを作ってくださいました。
深草こどもの家のお料理で使用するエプロンの始まりです。
お母さま方は大変協力的で、自主的に手作りのおやつを交代で持ってきて下さったり、クリスマスや特別な日の会食も作って下さいました。
深草に移った後もバザーを発案して下さり、交わす言葉は少なくとも、保護者の方々のこどもの家への思いは未熟な教師にとって大きな心の支えとなりました。
この嵐山こどもの家の保護者の方々の精神は、深草こどもの家の保護者に今も引き継がれております。
子ども達は時には激しいケンカをしながらも兄弟姉妹のようにお互いを知り尽くし、大きい子は小さい子をさりげなく見守り、互いの人格を尊重しながら生活する姿を見せてくれました。
ある日、私は子どものおやつをお皿に分けていました。
赤羽先生がひと言、「同じにしないでね。」
私は1人分の分量を変えずに、中身をいろいろな組み合わせになるように考慮をしながら配分しました。子ども達はお皿を1つ1つじっと見比べ、自分が良いと思ったお皿を机に運んでいきました。
「選び」です。
日常の些細なことでも、全て大人が決めてしまわないで子どもに「選び」を与える事を示唆して下さったのです。
私は、この嵐山こどもの家の時代に教師としての多くの学びを得ました。
赤羽先生からは「全てを子どもたちのために」という姿勢を感じ取り、また「教師とは自分自身の人間としての生き方である。」ことも学びました。
嵐山こどもの家の1年目の3月に5人の子どもが卒園しました。
嵐山にある大河内山荘(往年の時代劇スターの旧別荘)のお茶室で卒園式を行いました。
1979年1月に深草子どもの家が誕生しました。
10数名の子どもと共に深草こどもの家に移ってきました。
この年の3月に7名の子どもが第一期卒園生として巣立ちました。この子ども達は3カ月を深草で、その前を嵐山こどもの家で過ごした子ども達でした。
深草こどもの家は、従来の保育室のイメージを覆すものでした。そこは、保育がなされる保育室ではなく、子どもが主人となって生活を営むことができる部屋でした。
その部屋は広く、高い天井。
床と壁面は全て木で囲まれ、子どもが机に向かって作業をしていても、外が眺められるように窓の下の腰板も低く、北側には一列に畳が敷かれ、端には和風の飾り棚。子ども用流し台の設置。
暖炉や所々に使われているレンガは、赤羽先生がヨーロッパでご覧になったであろう雰囲気が感じられます。
2階は赤羽先生が主眼とされていた教師養成の学生のための見学席。
子どもの動きを邪魔することなく、保育室全体の動きをじっくり観察することができます。
園庭には、広々とした砂場。
竹薮と木々に囲まれた豊かな自然。
園庭の一角には、梅の木と雪見灯篭。
そして風情のある冠木門。
夏の講習会(京都コース主催)の最終日には必ず深草こどもの家の施設見学が組み込まれていました。
毎年大勢の希望者が見学に来られ、従来の保育室との違いに驚きと感嘆の声を上げられていました。
この40年、モンテッソーリ教育の実践園が美しくなったように思います。
深草こどもの家は、保育の中身だけではなく、子どもにとって美しい環境を提示することで今日の保育環境にも大きな影響を与えたのだと私は思っております。
つづく
次回は、深草こどもの家の創生期と行事の始まりをお伝えしたいと思います。
人生100年時代、100年後も幸せであるための教育を目指して (園長 根岸美奈子)
子どもに真の意味で奉仕出来る先生を育ててくれるところは、ここしかない (京都コース講師 板東光子)
使命、情熱、そして行動!Mission! Passion! Action! 1 (保育主任 長谷川美枝子)
おしらせ
京都コース付属 深草こどもの家の実践映画 無料公開のお知らせ
おしらせ
【深草こどもの家引っ越しイベント】~ありがとう、深草園舎~
園の日常
筍ほり!
学校法人化
教育産業 市場規模2.8兆円。しかし、自由の中でこそ育つ子どもの中心部
学校法人化
学校法人化へのご寄付を有難うございます!3月末に4千万円達成しました。
園の日常
現園舎での最後の卒園式
おしらせ
勧修寺園舎へ引越します
園の日常
オペレッタ
園の日常
自然保全とSDGsな未来のために
園の日常
紛争を回避するのは政治の業、平和を築くのは教育の業です。ーマリア・モンテッソーリ
学校法人化
こどもが尊重され、自由を与えられ、「良い生活」を営む園が全国に広まりますように
園の日常
お笑い芸人の舞台/ぴょんぴょんがえる
園の日常
自分のカレンダーづくり
園の日常
色集め
学校法人化
深草こどもの家誕生のおはなし② ―深草こどもの家のはじまりと保育の特徴
園の日常
みんなそれぞれちがうけど、みんなすごいよね!
学校法人化
学校法人化を通して、モンテッソーリ教育が広がっていってほしいと願う目的はどこにありますか?
学校法人化
深草こどもの家誕生のおはなし① ―嵐山こどもの家から深草こどもの家へ
園の日常
福は内、福は内、鬼は~そと!
園の日常
陶芸の窯
学校法人化
税制優遇で還付を受けるには領収書を提出し確定申告が必要です
園の日常
図案機織り
学校法人化
これからの社会がどんなに変化して予測困難な時代になっても,自ら課題を見付け,自ら学び,考え,判断して行動し,それぞれに思い描く幸せを実現してほしい
学校法人化
こどもたちの心を本当に大切にして下さる園が必ず建ちますように。寄付実績と寄付者の声報告
園の日常
好きこそものの上手なれ
教師養成コース
「正しさよりも大切なのは子どもの心」卒業試験で岡山先生から頂いた言葉
学校法人化
使命、情熱、そして行動!Mission! Passion! Action! 1
学校法人化
子どもに真の意味で奉仕出来る先生を育ててくれるところは、ここしかない
学校法人化
人生100年時代、100年後も幸せであるための教育を目指して
園の日常
本物をこどもたちに
おしらせ
「幼児期にモンテッソーリ教育を受けられたことは人生の宝物です」寄付者の思いと12月現在の実績報告
園の日常
自分の行動で状況を変える
園の日常
話し合い
おしらせ
税制優遇を受けるためには寄付の取りまとめは避けて下さい
学校法人化
全国からのご寄付
学校法人化
自然環境と土地の整備について
園の日常
かざぐるま大会
学校法人化
「卒園しなければ今と全然違う自分だった」寄付者の思いと11月現在の実績報告
学校法人化
こどもが毎日社会生活をする環境の重要性
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卒園生保護者対談 深草こどもの家の魅力を語りつくそう Vol.1
学校法人化
税制優遇について|京都地域創造基金を介する寄付のメリット
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月見団子つくり
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主体的な活動
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2億5000万年前から現在
学校法人化
9月も多くの方々から、たくさんのご寄付をいただきました!
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モルモットの好きな葉っぱ
学校法人化
学校法人化プロジェクトに関するパンフレットの発送を開始しました!
園の日常
「なり年」と「ふなり年」
対談インタビュー
対談インタビュー 卒園生
学校法人化
学校法人化に関するQ&A
学校法人化
8月のご寄付のお礼
園の日常
変化に富んだ園庭
学校法人化
寄付募集の進捗
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蝉の羽化
学校法人化
地盤調査、3日間かけて15m掘ったそうです
園の日常
地質調査が始まりました!
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深草モンテッソーリ小学生クラス
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本で調べる
園の日常
話し合い
学校法人化
園長よりご挨拶
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寄付受付を開始しました!ご寄付、シェアよろしくお願いいたします
学校法人化
仮園舎が決定しました!
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年長児合宿
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蛍がいました!
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七瀬川源流の水質調査と生き物調査
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深草こどもの家の園庭で家族が増えそうです
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こどもの観察日記(6歳)
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じどうクラブにこられなかった、しょうがくせいのみなさんへ
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しぜんってすごーい!!!
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春爛漫
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毎日毎日、繰り返し繰り返し・・・
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鳥会議?
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蜘蛛の巣作り
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図案はたおり
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冬芽(ふゆめ)
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嬉しい年賀状を頂きました
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あけましておめでとうございます。
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クリスマスおめでとうございます
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クリスマスの製作活動
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線上歩行 ‐‐- 心(精神)と身体のコントロール
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第3アドベント
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読むためのカードからの〜発展
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あったらいいな、モンテッソーリ小学校
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深草でトウヨウゾウの歯の化石が発見された話
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自分で決める 2 クリスマス劇の役決め
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感覚教具ー色板
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新年度が始まりました
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受け継がれていくこと
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いつだって格好よかった年長さんとお別れ
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誕生会
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図案機織り
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小枝のオーナメント
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構成三角形
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アートハウス
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凧あげ