学校法人化の進捗をお知らせします
学校法人化
文:長谷川美枝子
今から1年前の夏に始めさせていただいた学校法人化プロジェクトへの寄付募集。
この1年間でなんと、475件の皆様方からのご支援を賜り、総額4,200万円を超えるご寄付が寄せらました。このような多額のご寄付を賜りましたこと、ご支援してくださる皆様方へ心より感謝申し上げます。
学校法人化への道を歩み始めてから、本当に様々な変化がありました。コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、それらによる社会、生活の変化。また深草こどもの家は深草園舎の建築当初の手続き不備が判明し園舎を使用し続けることが出来なくなる、引越しを余儀なくされるなど、激動の時となりました。この一年間、深草向ヶ原町での学校法人園舎建築へ向けて、何度も建築会議が開かれ、この場所で可能な最善の計画はどうあるべきかについて専門家と共に考えてまいりました。園舎再建のための費用(土地整備含む)の壁が高く、いまだ実現には至りませんが、日本の教育と子どもたちの未来を真剣に考える皆様の思いを胸に、着実に前へ進んでいくべく活動してまいります。2021年度の事業報告を日本財団が運営する公益財団CANPANにて公開しています。
モンテッソーリ教育を軸に、子どもが生きていくために必要な力(自分で考え、主体的に活動する)を身に着けるための生活環境、知的環境を与え、こどもの心身の健全な発達を助長し、各々が自分の持つ能力を最大限に伸ばしていけるように援助する。そして多種多様なこどものいる社会の中で、自ら持つ力を発揮させ、自由と平和を構築するこども個人と子ども社会を育成する。
定員最大70名(縦割り二クラス、一クラス35名定員)府の基準の園舎最低面積520㎡
縦割り一クラスに対して原則二人担任。園長と主任も室内外の保育に入る。教員全員が室内外でのこどもの活動を把握し、一人ひとりのこどもが自分で選んだ活動を教師がサポートする。
園児一人ひとりの今まさに伸びつつある能力(手指、身体、感覚、精神)が最大限に発達できるよう、クラス担任はモンテッソーリ教師養成コースの内容を完全に実現させ、子どもに還元する。またこども一人ひとりが自分の興味関心に従い、集中して自分の内面の要求を達成できるよう、教師は個々の自己選択活動を支え、「自由」を保障する。この「自由」は「責任」が伴い、こどもが自分の選び、行動の「責任」を取る練習ができるよう、日常の小さなことからはじめる。自分のことが自分で出来る喜び(自立)、自分の能力の獲得を感じ、自信をもって成長できるように(自尊心)援助する。
3-6歳児のためのモンテッソーリ教師養成コースの内容を全て実現するため、保育室には線上歩行の線(約340x168cm)を常設し、いつでも歩ける状態にする。また棚に収納されている教具すべて幼児がひとりで出し入れできる状態にする。
子どもたちが着替える場所。着替え袋の保管場所に幼児一人が着替えることのできるスペースを作る。幼児であっても尊厳が守られるように。
真に理解を深めるため、保護者/コース生/教育関係者がモンテッソーリ教育実践をこどもの邪魔にならないように見学するために、中二階部分にバルコニー型の見学席をつくる。保護者は原則いつでも見学可。教育関係者は条件(見学する時間帯、見学記録の提出、質疑応答の時間確保など)が整えば見学可。
幼児のトイレの一部は各保育室内につくり、教師が保育室にいながら(他の活動をしている子どもを支えながら)トイレに行った子どものお世話ができるようにする。
金魚、メダカ、インコ、モルモット、犬など小動物や身近な動物を飼育し、自らの手指はもちろん心を使い世話をすることを通して、命について、生物について、自然について学ぶ
園庭面積 府の最低基準は480㎡
十分な広さと深さのある砂場、鉄棒、滑り台の他に、幼児が喜んで身体を動かし成長発達を促す環境を作る。当然ながら砂場は掘ったり水を入れたり、一年中使用可能。
(具体的には紅葉、梅、クヌギ、桜、モモ、梅、あんず、柿、キンカン、ユズ、ビワ、藤など)それらは幼児のうたう歌の歌詞にも登場するので、歌の情景をイメージしながら歌うことを可能にする。また、畑を作り料理活動で使用する野菜を育てる。冬には落葉樹の落ち葉を掃き、落ち葉を集めた活動(落ち葉プールや焼き芋など)をする。
こどもが砂場で遊んだ後に、自分の汚れた足を自分できれいにして室内に入れるように、足洗い場を設置する。
年間9回モンテッソーリ生活教育の総合的活動として行う。旬の食材(できれば畑で収穫した野菜)をつかい、さまざまな調理方法(計る、混ぜる、焼く、煮る、煎る、擦る、ちぎる等)と様々な食材をつかって、健康的な献立の昼食を作って食べる。(活動のための調理器具、食器類は常備棚に保管)
本物の美しい音楽をこどもに与える。音楽が身近で楽しいものであることを体験する。この音楽会は、音楽家の演奏、年長児の合奏、みんなで歌う歌の三部構成
火には子どもたちを惹きつける不思議な力があります。本物の薪を使用する暖炉を作り、本物の火の暖かさ、扱い方を体験する。薪作りは伏見区北堀公園内の活動(伏見桃山みどりの会)で保護者と共に定期的に参加。
春は宝が池公園にて親子遠足。竹林で筍掘り。伏見区北堀公園にはケルン市―京都市姉妹友好都市記念樹を深草こどもの家として植えたため、木の成長を見に毎年5月に遠足。6月には鴨川、または深草七瀬川で川遊び。水生生物を発見する。秋には大文字山登山。
その他、
未就園児のため、地域の為の「子育て支援」実施
預かり保育実施
日本にはまだ一条校のモンテッソーリスクールはありません。深草こどもの家では卒園生を支援する活動として、1~3年生までの卒園生を対象にした小学生クラスを年間10回開催しています。小学生レベルのモンテッソーリ教具教材を揃え、ドイツで小学生レベルのモンテッソーリ教師資格を取得した長谷川美枝子と経験豊かなモンテッソーリ教師、現役小学校教諭が集まり、1年~3年生までの縦割り子ども社会の中で、子どもたちの自己選択活動と学びを支援しています。
以上、深草こどもの家が40年以上大切に守ってきた教育環境であり、これらの再建は、子どもたちのため、日本の未来のために欠かせないものであることを強く訴えてまいります。
引き続き、ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
学校法人設立準備会は日本財団が運営する公益事業コミュニティサイトCANPANにて団体情報を公開しております。この度財団情報を更新し、2021年度事業報告を公開しております。下記リンクよりご覧ください。
http://fields.canpan.info/organization/detail/1595152305#basicinfo
公益財団京都地域創造基金